この記事を見つけていただき、ありがとうございます。
60、000回
これは、人間が一日に「選択」している回数。
人間は、日々とんでもない数の「選択」をして生きている。
だから、日々の「選択」をより良いものにできれば、きっとより良い人生が近づいてくるんだと思う。
今回は、「選択」を迷った時に、私が心がけていることについてお話します。
最後まで読んでいただければ嬉しいです。
こんな人に読んでもらいたい。
・生徒対応で、迷うことが多い先生方
・選択する時の指針が欲しい方
この記事を読んで得られるもの。
・生徒対応で、迷うことが少なくなる。
・迷った時に、どちらを選択するかのルールが見つかる。
聞こえてきた生徒の叫び声
ある日の放課後。
私は、翌日に迫った定期テストを懸命に作っていた。
焦っていた。とにかく焦っていた。
なぜなら、私はこの時点で、テストにはほとんど手つかずの状態だったのだ。
自分の計画性の無さ、そして能力の無さを悔やみつつ、パソコンと格闘していた。
残された時間はあとわずか。一分一秒も無駄にはできない・・・。
そんな中、私の心を更にざわつかせる声が聞こえてきた。
「体育館で〇〇君が暴れています。誰か来てください!!」
ある生徒の懸命な叫びだった。
横しまな考え
一瞬、私の頭に横しまな考えが浮かんだ。
「聞こえなかった振りしちゃおうかな・・・」
入学当初の緊張感が完全に消え去った校内は、生徒の問題行動が徐々に増えていた。
器物破損・喫煙行為・対教師暴言・SNSトラブル等など。
ここ最近は毎日のように起こっていた。
更に、近隣住民からの苦情の電話も鳴り響く。
担任であり、且つ生徒指導部に所属する私は、日々対応に追われていた。
当然、自分の時間がみるみる削られていく。
そして気が付けば、この日は定期テスト一日前。
「今日は何も起こらないでくれ!」
祈る思いで、パソコンと格闘していた時だった。
「誰か来てください!!」
一番恐れていた言葉が、私の耳に飛び込んできたのだった。
突然浮かんできたもの
「自分は入口から遠いし、きっと一番近い先生が駆け付けてくれるはずだ」
自分で自分に言い訳をしようとしていた時だ。
突然、私の頭に一人の人物が浮かんできたのだ。
それは、自衛官だった頃、最も尊敬し、そして密かに私が目標としていた中隊長であった。(以下Aさんと呼称)
Aさんは、強さと優しさを兼ね備えた、上司だった。祖国を護る使命感に燃えた方だった。
仕事に対しては、1ミリも妥協を許さない、ストイックな姿勢。
それでいて、部下が犯した失敗には自らが責任を負う、そんな思いやりのある方だった。
当時、Aさんから言われた言葉で、今でも心に残っているものがある。
「迷ったら、辛い方を選べ!」
生徒の懸命な叫びを、聞こえなかったふりをしようとした私。
非常事態にもかかわらず、仲間に任せて自分のことを優先しようとした私。
そんな情けない私に、喝を入れに来てくれたのだと悟った。
「おい、お前はそれでいいのか?」
「お前は、楽な方を選んでいないか?」
「見損なったぞ!」
私のとった行動
次の瞬間、私は一目散に体育館に駆け付けた。
現場では、生徒が教師に悪態をついている。
興奮している。
「いい加減にしろ!」私は生徒に言った。
「あん、コラ!」こちらを見て、生徒はさらに興奮してきた。
多くの先生方が駆け付けてくれ、私と生徒の間に入ってくれた。
その後、少々落着きを取り戻した生徒を別室に連れていき、事情を聞く。
保護者に来校してもらい、学校と家庭で息子さんを一緒に育てていきましょう、と協力を求める。
先生方とその親子を見送り、一連の対応を終えて、時計を見ると21時を過ぎていた。
再格闘
パソコンとの格闘が再び始まった。
焦っていた。
しかし、先程の焦りとは違う、焦りだった。
決して不快ではなく、心がポカポカする焦りだった。
確かに、予期せぬ生徒対応で時間の余裕がなくなり、肉体は更にしんどくなった。
でも心は、うっとおしい雲が消え去っていくように、晴れやかだった。
私の心の中は、「何か大切なものを護れた」という満足感が支配していた。
まとめ
「迷ったら、辛い方を選べ!」
かれこれ十年以上前にAさんから言われた言葉だ。
この言葉が、今でも私の中に鮮明に残り、そして影響を与えるのはなぜだろう?
多分それは、私の魂が喜ぶ言葉だったからだ。
心の奥深くで欲している言葉だったからだ。
心の奥深くに入り込んだ言葉は、決して色褪せない。
永遠の輝きを放つのだ。
「迷ったら、辛い方を選べ!」
迷った時は、自分の魂に聞いてみる。
「お前はどうしたいんだ?」
「お前の心が喜ぶのはどっちだ?」
肉体が喜ぶ方より、魂が喜ぶ方を選ぶ。
きっとそれが自分にとり、より良い選択なんだと思う。
迷ったら、中隊長の、あの怖い顔を思い出そう。
そして、自分の魂に聞いてみよう。
そう決心させてくれた、ある日の放課後の出来事だった。
中隊長、ありがとうございました。敬礼!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
これからも、このブログをよろしくお願いいたします。
さあ、今日も生徒の前で元気だしていきましょう。
「元気があれば何でもできる!」
最後に昭和初期に活躍され、日本の教育者に多大な影響を与えた森信三氏の言葉を紹介して終わります。
~過去を今に生かす~
人間の真の偉大さというものは、その人が自分のすぎさった過去を、現在もどの程度忘れずにいて、これを生かしているか否か、ということによって、決まるとも言えましょう。
『修身教授録 一日一言』森信三著 致知出版社
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